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🏠 相続税ガイド
図と表でわかる、相続税のしくみ

「うちは相続税がかかるの?」「いくらくらい?」「何から始めればいいの?」に、むずかしい言葉を使わずに答えます。読み終えたら、そのまま税額の目安も計算できます。

3,000万円+600万円×人数基礎控除(ここまでは税金なし)
10%〜55%税率は8段階(超過累進)
1億6千万円配偶者が取得しても税金ゼロの目安
10か月申告と納税の期限

🧭① 相続税の計算は、たった4ステップ

むずかしそうに見えますが、順番に進めるだけです。このページも、この順番で説明します。

1
📋
財産を集めるプラスもマイナスも全部
2
✂️
基礎控除を引く3,000万円+600万円×人数
3
📊
税率をかける法定相続分で分けて計算
4
🧾
実際の取り分で分ける配偶者の軽減などを引く
💡
いちばん大事なこと:相続税は「遺産全体にかかる税金」ではなく、基礎控除を超えた部分にだけかかります。遺産が基礎控除以内なら、申告も納税も要りません。

👨‍👩‍👧‍👦② 誰が相続人? 法定相続分は?

配偶者(夫・妻)は必ず相続人になります。それ以外は、次の順位のいちばん上の人たちだけが相続人です。

🧑‍🤝‍🧑
常に相続人:配偶者

婚姻届を出している夫・妻。内縁は含みません。

👶
第1順位:子

子が亡くなっていれば孫(代襲相続)。養子も子です。

👵
第2順位:親・祖父母

子も孫もいないとき。

🧑‍🤝‍🧑
第3順位:兄弟姉妹

子も親もいないとき。甥・姪まで(代襲)。

📐 法定相続分(相続税の総額を出すときに使う割合)

配偶者と子(子が2人なら1人あたり1/4)
配偶者 1/2
子 1/2
配偶者と親
配偶者 2/3
親 1/3
配偶者と兄弟姉妹
配偶者 3/4
兄弟 1/4
配偶者がいないとき(子2人の例)
子 1/2
子 1/2
⚠️
法定相続分は「税額の計算用」の割合です。実際に誰がいくら受け取るかは、遺言や話し合い(遺産分割)で自由に決められます。相続税の総額は、この割合で分けたと仮定して計算します(⑤で説明)。

🧺③ 何に税金がかかる? 財産の仕分け

財産は4種類に仕分けると分かりやすくなります。最後に「課税価格」(税金の計算のもとになる金額)を出します。

➕
プラスの財産

🏡 土地・建物 💴 現金・預貯金 📈 株式・投資信託 🚗 車 💍 貴金属・美術品 🤝 貸したお金

🛡️
みなし相続財産

死亡保険金・死亡退職金など。遺産ではなくても、相続したものとして加えます。

🕊️
非課税の財産

🪦 墓地・墓石・仏壇 ⛪ 公益事業に寄付した財産 🛡️ 保険金・退職金は「500万円×法定相続人の数」まで

➖
マイナスの財産

🏦 借入金 🧾 未払いの税金・医療費 ⚰️ 葬式費用(香典返し・墓石代は除く)

プラスの財産+みなし財産 − 非課税の財産墓地・保険の枠 − 借金・葬式費用マイナスの財産 + 生前贈与加算(3年→7年) = 課税価格
課税価格 = 財産の合計 − 非課税 − 借金・葬式費用 + 生前贈与の加算(千円未満切り捨て)

🗺️ 土地・家の評価の目安

財産評価のしかた(目安)
🏡 市街地の土地路線価(1㎡あたり・千円単位)×面積(㎡)。形や道路との関係で補正します。
🌾 路線価の無い地域固定資産税評価額 × 国税局が定める評価倍率
🏠 建物固定資産税評価額(貸している建物は×0.7など)
📈 上場株式亡くなった日の終値など、4つの価格のうち最も低いもの
💴 預貯金亡くなった日の残高+利息
🛡️ 生命保険金受け取った金額(500万円×法定相続人の数までは非課税)

路線価図・評価倍率表は国税庁の財産評価基準書で調べられます。

📅
亡くなる前の贈与にも注意:相続人などが亡くなる前の一定期間にもらった贈与は、相続財産に戻して足します。いまは原則3年以内ですが、令和9年(2027年)1月以後の相続から段階的に7年以内へのばされます。

✂️④ 基礎控除:ここまでは税金がかからない

家族が多いほど、非課税の枠が広がります。基礎控除 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

法定相続人の数ごとの基礎控除額(遺産がこの額以下なら相続税は0円)
🧮
数えかた

相続放棄をした人も人数に入れます。養子は、実子がいれば1人、いなければ2人まで数えます。

📝
申告は別の話

基礎控除以下なら申告不要。ただし配偶者の軽減や小規模宅地の特例を使うときは、税額が0円でも申告が必要です。

🧮⑤ 計算のしくみを、例で見る

例:遺産1億円、相続人は配偶者と子2人。配偶者が法定相続分どおり(1/2)取得したとします。下の図は、計算機と同じ部品で描いています。

1億円の遺産が、最終的な納税額になるまで
  1. STEP 1課税遺産総額を出す1億円 − 基礎控除 4,800万円(3,000万+600万×3人) = 5,200万円
  2. STEP 2法定相続分で分けたことにして税率をかける配偶者 2,600万円(15%−50万円=340万円)/子 各1,300万円(15%−50万円=145万円×2)
  3. STEP 3足して「相続税の総額」340万+145万+145万 = 630万円
  4. STEP 4実際の取り分の割合で分ける配偶者 1/2=315万円、子 各1/4=157.5万円。配偶者は税額軽減で0円、子は合計 315万円を納めます。
🎯
ポイントはSTEP 2〜3で「いったん法定相続分で分ける」こと。実際の分け方を変えても相続税の「総額」は変わりません。変わるのは、誰がいくら負担するかだけです。

📊⑥ 税率:階段のように上がる

「法定相続分に応ずる取得金額」を次の表にあてはめます。超えた部分だけが高い税率になる「超過累進」ですが、計算を簡単にするため「税率をかけて控除額を引く」速算表が使われます。

取得金額ごとの税率(青は10〜30%、橙は40〜45%、赤は50〜55%)
法定相続分に応ずる取得金額税率控除額

出典:国税庁 タックスアンサー No.4155 相続税の税率(令和8年4月1日現在の法令等)。

🎁⑦ 税金を減らせる特例・控除

どれも、使うには申告が必要です。条件が細かいので、使えそうなときは専門家に確認しましょう。

💑
配偶者の税額軽減

1億6千万円か法定相続分の多いほうまで、配偶者には相続税がかかりません。

🏡
小規模宅地等の特例

自宅の土地は330㎡まで80%減。事業用は400㎡まで80%減、貸付用は200㎡まで50%減。住み続ける・同居などの条件があります。

🧒
未成年者控除

18歳になるまでの年数×10万円を税額から引きます。

♿
障害者控除

85歳になるまでの年数×10万円(特別障害者は20万円)を税額から引きます。

🔁
相次相続控除・贈与税額控除

10年以内に続けて相続があったとき、生前贈与で贈与税を払っていたときに、二重払いを防ぐ控除です。

⚠️
2割加算(増える側)

配偶者と一親等の血族(親・子)以外の人(兄弟姉妹・孫養子・他人)が取得すると、税額が2割増になります。

🏡 小規模宅地等の特例の効果(イメージ)

自宅の土地の評価額が4,000万円(330㎡以内)のとき、特例を使うと評価額が800万円に

📈⑧ 家族構成別の相続税の早見表とグラフ

遺産の額(課税価格の合計)ごとの、納める相続税の目安です。配偶者がいるときは、法定相続分どおり取得して配偶者の税額軽減を使った場合の金額です。

配偶者と子2人子2人(配偶者なし)配偶者なし・子1人
遺産の額と納める相続税(0〜5億円)
遺産の額配偶者と子1人配偶者と子2人配偶者と子3人子1人のみ子2人のみ

千円未満・100円未満の端数処理のため、実際の申告とは数十円〜数百円ずれることがあります。小規模宅地等の特例や生前贈与は考えていません。自分の家族と財産で計算するには相続税の詳しい計算へ。

📅⑨ 亡くなってから納税までの流れ

  1. 7日以内死亡届を出す役所へ。葬儀・火葬の手続きもこのころ。
  2. すぐ〜遺言書・財産・借金を調べる遺言書の有無、預貯金・不動産・借入の一覧を作ります(計算機に入れる数字になります)。
  3. 3か月以内相続放棄・限定承認の判断借金が多いときは家庭裁判所に手続きします。期限を過ぎると原則やり直せません。
  4. 4か月以内準確定申告亡くなった方に所得があるとき、その年の1月1日から亡くなる日までの所得税の申告です。
  5. 〜10か月遺産分割の話し合い誰が何を受け取るかを決めて「遺産分割協議書」を作ります。
  6. 10か月以内相続税の申告と納税亡くなったことを知った日の翌日から10か月。現金一括が原則で、むずかしいときは延納・物納の道もあります。
⏰
申告期限までに分割がまとまらないと、配偶者の税額軽減・小規模宅地の特例が使えません(3年以内の分割見込書を出せば、あとから使えます)。まとまらないときは早めに専門家へ。

❓⑩ よくある疑問

うちは相続税がかかりますか?
遺産(課税価格の合計)が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超えるかどうかが目安です。たとえば配偶者と子2人なら4,800万円。自宅の土地は特例で大きく減らせることもあります。かんたん概算で1分で確認できます。
配偶者は、いくら相続しても税金がかからないの?
「1億6千万円」か「法定相続分」の多いほうまで税額がゼロです。それを超えると、超えた部分に応じて税額が出ます。ただし、二次相続(配偶者が亡くなったとき)の税金まで考えると、配偶者に集めすぎないほうが有利なこともあります。
生命保険金は遺産分割の対象になりますか?
受取人が決まっている保険金は、民法上は受取人固有の財産で分割の対象外ですが、相続税では「みなし相続財産」として課税対象です。「500万円×法定相続人の数」までは非課税です。
実際の取り分を変えると、税額の総額も変わりますか?
総額は変わりません(法定相続分で分けたとして先に計算するため)。変わるのは負担する人と、配偶者の軽減や2割加算などの控除の効き方です。詳しい計算の「分け方」のバーで試せます。
借金が多いときはどうなりますか?
借金は財産から差し引けます。プラスよりマイナスが大きいなら、相続放棄(3か月以内)も選べます。放棄した人も、基礎控除の人数には数えます。
相続税は専門家に頼まないといけませんか?
自分で申告もできますが、土地の評価や特例の判断で税額が大きく変わります。基礎控除を超えそうな方、不動産が多い方は税理士に相談することをおすすめします。

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ご利用にあたっての注意

この解説は一般的な説明で、個別の事情に合わせた税務のアドバイスではありません。数値は国税庁の公表(令和8年4月1日現在の法令等)で確認していますが、法改正で変わります。実際の申告・納税は、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。出典:国税庁 タックスアンサー No.4152・4155・4158・4108・4132・4124・4157。