代金の減額で勧告: 385名分から計6,088万円を手数料・金利の名目で差し引き決めた代金を勝手に減らしてはいけない 国の役所が注意
公正取引委員会は令和8年10月29日、業務用厨房機器の製造販売等を行う株式会社マルゼンに対し、改正前の下請法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)に違反する行為があったとして勧告を行いました。令和7年4月から令和8年1月までの間、下請事業者385名に支払う代金から「事務手数料及び金利」の名目で計6,088万8,107円を差し引いていたとされ、同社は不利益額の全部を支払いました。支払時に代金から何かを差し引いている会社には、自社の運用を確かめる機会になります。
- ①委託業務用厨房機器の製造、自社が請け負う修理、自社が請け負う運送及び設置を委託
- ②差引き支払う代金から「事務手数料及び金利」の名目で金額を差し引いた(令和7年4月〜令和8年1月)
- ③勧告公正取引委員会が令和8年10月29日に勧告(改正前の下請法第7条第2項)
- ④確認責めに帰すべき理由がないのに代金を減じないこと等を取締役会の決議で確認する
- ⑤支払不利益額の全部(計6,088万8,107円)を支払った
要点
- 対象は株式会社マルゼン(東京都台東区根岸二丁目19番18号、資本金31億6,495万円、主な事業内容は業務用厨房機器の製造販売等)。公表は令和8年10月29日
- 違反行為は、業務用厨房機器の製造、自社が請け負う業務用厨房機器の修理、自社が請け負う業務用厨房機器の運送及び設置の委託について、支払う代金から「事務手数料及び金利」の名目で金額を差し引いていたこと
- 規模は、令和7年4月から令和8年1月までの間に下請事業者385名に対し計6,088万8,107円。適用された条文は改正前の下請法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)で、勧告の根拠は同法第7条第2項
- 勧告の内容は、今後、中小受託事業者の責めに帰すべき理由がないのに製造委託等代金の額を減じないこと等を、取締役会の決議により確認すること
- マルゼンは不利益額の全部(計6,088万8,107円)を支払った
実務での対応
- 発注する側は、支払のときに代金から差し引いている項目(事務手数料・金利・歩引き・振込手数料など)を洗い出し、受託側の責めに帰すべき理由があるか、事前に合意があるかを1件ずつ確かめる
- 受託する側は、注文時に決まった代金と実際の入金額を突き合わせ、差額の名目と根拠を確認する
- 一定の率で機械的に差し引く運用が残っていれば、支払の規程と計算の仕組みから見直す
物を作ってもらうときに約束した代金を、あとから理由なく減らすことは法律で禁じられています。公正取引委員会は10月29日、業務用の厨房機器を作っている会社が、仕事を頼んだ385の相手に払うお金から「事務手数料」「金利」という名前で合わせて6,088万8,107円を引いていたとして、やり方を直すよう勧告しました。引いた分は、会社が全部払いました。
- ×当てはまらない:注文のときに決めた代金を、あとから理由なく減らす
- ×当てはまらない:「事務手数料」「金利」という名前で、代金から一定の割合を引く
- ○当てはまる:頼まれた側に責任があるときに限って、代金を見直す
ポイント
- 約束した代金は、頼まれた側に責任がないのに減らしてはいけない
- この会社は令和7年4月から令和8年1月までの間に、385の相手から合わせて6,088万8,107円を引いていた
- 公正取引委員会は、今後は代金を減らさないことを取締役会で確認するよう求めた
ことばの意味
- 下請
- ほかの会社から仕事を受けて、物を作ったり直したりすること
- 勧告
- 国の役所が「やり方を直しなさい」と正式に求めること
この記事は官公庁の公表資料を要約・解説したもので、個別の事案への助言ではありません。制度は改正されることがあるため、実際の手続きや判断は必ず公表元の最新の資料や、税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。