賃金のデジタル払い:導入に必要な労使協定・同意と指定業者4社給料をスマホ決済のアプリで受け取れる仕組みが始まっている
労働者の同意を得た場合に、厚生労働大臣の指定を受けた資金移動業者の口座へ賃金を支払うことができます。厚労省のページでは、指定業者は4社(令和8年7月1日現在、審査中は0社)とされています。受取方法の一つで、使用者が強制することはできません。
- ①労使協定過半数組合または過半数代表者と締結
- ②説明労働者へ留意事項を説明
- ③選択肢の提示銀行口座・証券総合口座も併せて提示
- ④同意書労働者が受取額・口座情報などを記載して提出
- ⑤支払い同意した範囲で指定資金移動業者の口座へ支払う
要点
- 労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数代表者)と労使協定を締結する。協定には対象労働者の範囲や取扱指定資金移動業者の範囲などを記載する
- 労働者は留意事項の説明を受けたうえで同意書を提出。同意書には受取額、資金移動業者口座番号、指定代替口座の情報などを記載する
- デジタル払いを提示する際は、銀行口座か証券総合口座も選択肢として併せて提示しなければならない
- 指定業者と受入上限額:PayPay給与受取20万円、COIN+(スタンダード)30万円、楽天ペイ給与受取10万円、au PAY給与受取10万円
- 現金化できないポイントや暗号資産による賃金支払いは認められない
実務での対応
- 導入する場合は、労使協定の締結と、希望する労働者ごとの同意書の取得を行う
- デジタル払いを希望しない労働者に銀行口座等の選択肢を必ず提示する
給料はこれまで、現金か銀行への振込みが基本でした。いまは、本人がOKと言えば、国が認めた会社のスマホ決済アプリのような口座で、給料の一部または全部を受け取ることもできます。会社が無理にそうさせることはできません。
- ○当てはまる:本人が同意書を出して選ぶ
- ○当てはまる:銀行口座などの受け取り方も、選択肢として示される
- ×当てはまらない:会社が「デジタル払いにして」と強制する
- ×当てはまらない:現金に換えられないポイントで給料を払う
ポイント
- 使えるのは、国が認めた4つの会社のサービスだけです(令和8年7月1日現在)
- 本人が同意書を出して、はじめて使えます。選ぶのは自由です
- サービスごとに「受け入れられる上限額」が決まっています(10万円〜30万円)
ことばの意味
- 資金移動業者
- お金を送ったり受け取ったりするサービスを行う会社
- 同意書
- 「その方法でいいです」と本人が書いて会社に出す紙
この記事は官公庁の公表資料を要約・解説したもので、個別の事案への助言ではありません。制度は改正されることがあるため、実際の手続きや判断は必ず公表元の最新の資料や、税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。