WTO世界貿易の見通しと統計(2026年3月): 2026年の貿易は鈍化、中東紛争が重荷世界の貿易は、2026年は少しペースダウンの予想
WTOは2026年3月19日に「世界貿易の見通しと統計」を公表しました。AI関連財の貿易急増で2025年は予想以上に伸びた世界貿易が、2026年は鈍化すると予測しています。エネルギー価格を織り込まない基準シナリオでは商品貿易量の伸びは4.6%から1.9%に低下し、エネルギー高が続くシナリオではさらに1.4%に下がります。
要点
- 2025年の世界の商品貿易量は4.6%増(2025年10月公表の予測2.4%を上回った)。AI関連財の貿易額は21.9%増の4.18兆ドルで、世界の貿易の伸びの42%を占めた
- 基準シナリオ(エネルギー価格ショックを除く)の商品貿易量は2026年1.9%、2027年2.6%。世界GDPは2026年・2027年とも2.8%
- 原油・LNG価格が2026年を通じて高止まりするシナリオでは、世界GDPが0.3ポイント、貿易が0.5ポイント押し下げられ、商品貿易量は1.4%増にとどまる
- 商業サービス貿易は2025年5.3%増のあと、2026年4.8%、2027年5.1%(基準)。中東紛争を織り込むと2026年は4.1%
- 最恵国待遇(MFN)の関税条件で行われる貿易の割合は、2026年2月末で世界の貿易の72%と推計された
実務での対応
- エネルギーや海上輸送の混乱が、自社の仕入れ・輸送費にどう影響するかを確かめる
- 見通しは改定されるため、WTOの最新の公表(10月の更新など)を確認する
WTOという国際機関が、世界の貿易の見通しを発表しました。2025年はAIに使う半導体やサーバーなどの取引が急に増えて、貿易が4.6%伸びました。2026年はその反動もあって、伸びが1.9%に落ち着く予想です。中東の紛争でエネルギーが高いままだと、さらに下がるかもしれません。
- ①2025年AI関連の品物が急増し、貿易は4.6%増
- ②2026年反動で伸びは1.9%の予想
- ③心配エネルギーが高いままだと1.4%に下がるおそれ
ポイント
- 2025年の世界の貿易(モノ)は4.6%増え、予想より伸びた
- 2026年は1.9%、2027年は2.6%の伸びと予想されている
- 中東の紛争でエネルギーの値段が高いままだと、貿易の伸びは1.4%まで下がるおそれがある
ことばの意味
- 貿易量
- 外国とやりとりするモノやサービスの量(値段の変化を除いたもの)
- LNG
- 冷やして液体にした天然ガス
World trade is set to slow in 2026 following stronger than expected growth in 2025 on the back of surging trade in AI-enabling products. WTO economists warn that the ongoing conflict in the Middle East could further reduce trade growth if energy prices remain elevated, noting that it would also put pressure on food supplies and services trade due to travel and transport disruptions.
- 世界貿易機関(WTO): WTO ニュース「Middle East conflict weighs further on slowing trade outlook」(世界貿易の見通しと統計、2026年3月19日)
経済ニュースは公表された統計・見通しの紹介であり、投資の勧誘や売買の助言ではありません。数値は公表時点のもので、改定されることがあります。
この記事は官公庁の公表資料を要約・解説したもので、個別の事案への助言ではありません。制度は改正されることがあるため、実際の手続きや判断は必ず公表元の最新の資料や、税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。