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2026年11月7日 日本銀行 経済ニュース(日本・世界)

用語の読み方: 「貿易収支」と「第一次所得収支」はどう違うか「モノを売ってもうけた」と「投資でもうけた」は別の話

経常収支の黒字という言葉を見たとき、その中身がモノの売り買いなのか投資からの受取りなのかで意味は大きく変わります。日本銀行が11月7日に公表した講演の邦訳によれば、日本の貿易収支の黒字は1980年代半ばにGDP比4%以上でしたが、その後減少して赤字に転じ、代わりに当時ほぼゼロに近かった第一次所得収支の黒字が現在GDP比6%以上まで拡大しています。経常収支の統計は財務省が公表しています。

経常収支の読み方(○か×か)
  • 当てはまる:経常収支の黒字は、国内投資を上回る国民貯蓄を反映している
  • 当てはまらない:経常収支の黒字は、モノの輸出が輸入を上回っていることだけを表す
  • 当てはまる:第一次所得収支は、海外への投資から得られる純所得を表す
  • 当てはまらない:日本の貿易収支は、1980年代半ばから現在まで一貫して黒字である

要点

  • 貿易収支は、モノ(財)の輸出と輸入の差。第一次所得収支は、海外への投資から得られる純所得(海外の子会社や保有する株式・債券から受け取る収益と、支払う収益との差)
  • 日本の貿易収支の黒字は1980年代半ばにGDP比4%以上に達した後、徐々に減少して赤字に転じた。講演の注記では、財・サービスの貿易収支は2010年代初頭以降、多くの時期で赤字となっている
  • 第一次所得収支の黒字は1980年代半ばにはほぼゼロに近かったが、現在ではGDP比6%以上まで拡大し、海外投資から得られる純所得が経常収支黒字の主要な構成要素になっている
  • 経常収支全体の黒字幅は、この40年程度の間、概ねGDPの2〜4%の範囲で推移してきた。国民所得勘定では、経常収支の黒字は国内投資を上回る国民貯蓄を反映する関係にある
  • 貿易黒字から所得収支黒字への移行は、債務国から成熟した債権国への過程を説明する「国際収支発展段階説」として知られている。講演は19世紀後半から20世紀初頭の英国を類例として挙げ、20世紀初頭に英国の海外投資からの純所得は国民所得の8%近傍に達したと推計されていると述べている
対象:輸出入や海外子会社を持つ会社の経営者・財務担当者。経済のニュースで「経常収支」「貿易赤字」という言葉の意味を取り違えたくない人

実務での対応

  • ニュースで「経常収支の黒字」と出てきたら、貿易収支と第一次所得収支のどちらが動いたのかまで確認する
  • 自社が海外子会社を持つ場合、現地に留保した利益も日本の統計では企業の貯蓄として扱われ、再投資分は新たな対外直接投資として記録されることを押さえておく
注意:この記事は公表された講演の邦訳に書かれている内容をもとにした用語の説明で、今後の為替や金利の予想ではありません。GDP比の数値は講演が図表の説明として示した水準で、月ごとの実額は財務省の国際収支状況をご確認ください。個別の投資判断の助言ではありません。

日本が外国とやりとりしたお金の差を「経常収支」といいます。その中身は2つに分けて見ると分かりやすくなります。1つはモノを売ったり買ったりしたお金の差、もう1つは海外に投資したお金から受け取る利子や配当の差です。日本銀行が11月7日に出した講演の文によると、むかしの日本は前のほうが大きく、いまは後のほうが大きくなっています。

日本のもうけ方の変わり方
  1. ①むかし外国にモノを売って受け取るお金のほうが多かった
  2. ②いまモノの売り買いだけでは足りない年がある
  3. ③それでも海外に投資したお金から受け取る利子や配当が大きく、全体では受け取るほうが多い

ポイント

  • 経常収支は、外国とのお金のやりとりの受け取りと支払いの差
  • 中身は「モノの売り買い」と「投資からの受け取り」に分けて見る
  • むかしの日本はモノの売り買いが大きく、いまは投資からの受け取りが大きい
たとえば:お店を1つ持っている人が、商品を売ってもうけるのと、別の町に出したお店から毎年お金が送られてくるのとでは、同じ「もうけ」でも中身がちがいます。国でも同じように分けて見ます。

ことばの意味

貿易収支
外国に売ったモノの代金と、外国から買ったモノの代金の差
第一次所得収支
海外に投資したお金から受け取る利子や配当などの差
出典(公表元)
公表元の確認日:2026年11月8日

経済ニュースは公表された統計・見通しの紹介であり、投資の勧誘や売買の助言ではありません。数値は公表時点のもので、改定されることがあります。

この記事は官公庁の公表資料を要約・解説したもので、個別の事案への助言ではありません。制度は改正されることがあるため、実際の手続きや判断は必ず公表元の最新の資料や、税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

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