財政制度分科会で社会資本整備を議論 維持管理費は20年後に15.2兆円との試算道路や橋の「古さ」が進む 20年後の修理代は15兆円になるという試算
財務省は令和8年11月5日、財政制度等審議会の財政制度分科会(15時00分〜17時00分)を開き、「社会資本整備」と「防衛」を議題としました。資料1「社会資本整備」では、社会資本ストック全体の維持管理コストが2025年度の9.3兆円から2045年度には15.2兆円へ増えるとの試算が示され、インフラの基本規格の合理化・共通化によってストック総量を抑制すべきだとしています。あわせて公共事業関係費の令和9年度概算要求の全体像も示されました。
2025年度2045年度
総額9.3兆円15.2兆円(約1.6倍)
生産年齢人口一人当たり12.7万円26.1万円(約2.1倍)
要点
- 維持管理コストの試算は、現在の整備ベースを続けた場合、社会資本ストック全体で2025年度9.3兆円から2045年度15.2兆円(約1.6倍)。生産年齢人口一人当たりでは12.7万円から26.1万円(約2.1倍)
- 建設後50年以上経過する社会資本の割合は、道路橋が2025年の約42%から2040年に約75%、水道管路が約10%から約40%になるとされている
- 公共事業関係費の令和9年度概算要求は、一般公共87,265億円と災害復旧618億円の合計87,883億円で、これに事項要求が加わる。令和8年度当初61,078億円と令和7年度補正25,420億円の合計は86,498億円
- 国際比較では、公的固定資本ストックの対GDP比が日本は117.6%で最も高く、道路延長の対国土面積比もG20中第1位(364キロメートル/100平方キロメートル)とされている
- 示された見直しの方向は、基本規格(スペック)の合理化と共通化(利用の乏しい道路・橋梁の統廃合、道路舗装の見直し、分散型の水道、全国130の離島航路の船の規格の共通化など)、分野ごとの縦割り評価に代えたクロスセクター評価の導入、造船業の「2035年建造量倍増目標」に向けたKPIと撤退基準を含む投資の枠組みの設定
対象:建設・土木・設備・造船など公共事業や社会資本の維持更新に関わる会社の経営者。地域のインフラを前提に事業計画を立てる会社
実務での対応
- 公共工事を受注している会社は、資料1で示された「基本規格の合理化・共通化」「新規事業採択の見直し」の方向が自社の受注分野に関わるかを確かめる
- 令和9年度予算の編成(年末まで)の動きを追い、確定した内容が出てから計画に織り込む
注意:この記事の内容は、財務省が財政制度分科会に示した資料と議題です。審議会での議論の材料であり、制度や予算として決まったものではありません。決まるかどうか、内容や時期が変わるかどうかは現時点では分かりません。試算の数字は資料に置かれた前提(2026年度以降の物価変動がないなど)のもとでの値です。
11月5日、財務省の会議で、道路や橋、水道などをこれからどう直していくかが話し合われました。会議に出された資料によると、いまのやり方を続けると、国全体の修理や点検にかかるお金は2025年度の9.3兆円から2045年度には15.2兆円に増えるそうです。働く年齢の人1人あたりにすると12.7万円から26.1万円で、だいたい2倍になります。そこで資料は「つくるものの数や大きさをしぼるべきだ」と書いています。
ポイント
- いまのやり方を続けると、修理や点検のお金は20年後に9.3兆円から15.2兆円へ増えるという試算
- つくってから50年以上たった道路の橋は、2025年に約42%、2040年には約75%になる見込み
- 資料は「使う人が少ない道路や橋はまとめる」「水道は分けて小さくつくる」など、全体の量をしぼる案を出している
たとえば:家が古くなると、屋根や水道の修理代がだんだん増えていきます。しかも家族の人数が減っていくと、1人が出すお金は2倍になります。国の道路や橋でも同じことが起きるという話です。
ことばの意味
- 社会資本
- 道路・橋・水道・港など、みんなで使うためにつくられたもの
- 維持管理
- こわれないように点検したり直したりして使い続けること
- 生産年齢人口
- 15歳から64歳までの、おもに働く年齢の人の数
出典(公表元)
公表元の確認日:2026年11月6日
この記事は、検討中・要望の段階の内容を先取りして紹介するものです。実際に決まるか、内容や時期が変わるかは確定していません。決まった段階で改めて公表元をご確認ください。
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この記事は官公庁の公表資料を要約・解説したもので、個別の事案への助言ではありません。制度は改正されることがあるため、実際の手続きや判断は必ず公表元の最新の資料や、税理士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。