退職金を払ったときは、退職された方へ「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」を退職の日から1か月以内に渡します。さらに令和8年分(令和8年中に支払が確定した退職金)からは、従業員への分も含めてすべて、この票を税務署へ提出します(令和7年分までは、会社の役員に払った分だけでした)。一般に「退職金の支払調書」と呼ばれるのは、この書類のことです。
| 退職金を払った相手 | 退職された方へ交付 | 税務署へ提出 | 市区町村へ提出 |
|---|---|---|---|
| 従業員(役員等ではない) | 必要 | 令和8年分から必要 (令和7年分までは不要) | 省略できる(※) |
| 法人の役員(相談役・顧問を含む) | 必要 | 必要 | 令和7年12月31日以前の支払は必要。 令和8年分以後は、当分の間省略できる(※) |
| 死亡による退職 | この票ではなく、別の書類「退職手当金等受給者別支払調書」を税務署へ出します | ||
※eLTAX(地方税の電子申告)による提出方法が整うまでの間、市区町村提出用の作成・提出を省略できます(国税庁の令和8年分の手引。令和8年度税制改正による経過措置として杉並区も案内)。終わる時期は決まっていないため、最新の扱いは市区町村や税務署の案内で確認してください。なお、特別徴収税額が課されない人には、請求がなければ「退職所得の特別徴収票」の交付も要りません。
つまり、退職金を払ったら、従業員でも役員でも「交付」は必ず必要で、令和8年分からは「税務署への提出」も全員分が必要です。個人事業主が従業員に退職金を払った場合も、渡す義務・出す義務は同じです。
退職金を払う前に、退職される方から「退職所得の受給に関する申告書」を出してもらうのが原則です。この書類があるか・ないかで、票に書く税額が変わります。
| 申告書が出ている | 申告書が出ていない | |
|---|---|---|
| 所得税・復興特別所得税 | 退職所得控除を引いた額に、税率をかけて計算します | 支払金額の20.42%を源泉徴収します(控除は考慮されません) |
| 住民税 | 退職金から特別徴収します(道府県民税4%・市町村民税6%) | 特別徴収はありません。本人が確定申告などで精算します |
申告書は、退職所得の受給に関する申告書の作成で、国税庁の様式どおりに作れます(わかりにくい欄はポップアップで説明、PDF保存できます)。
申告書が出ていないと、源泉徴収された所得税が多すぎることがよくあります。その場合、本人は確定申告で戻してもらえます。票の「摘要」には、申告書の提出がなかったことを書いておくと、あとで本人が確定申告するときに分かりやすくなります。
| 欄 | 書くこと |
|---|---|
| 支払を受ける者 | 個人番号(税務署提出用だけ。交付用には書きません)・住所又は居所(票を作る日の現況)・令和◯年1月1日の住所・氏名・役職名(退職時) |
| 区分 | 3つの段のうち、あてはまる1段に書きます。上段=申告書あり・今年ほかに退職手当等がない旨の記載がある/中段=申告書あり・今年ほかに退職手当等がある旨の記載がある/下段=申告書の提出がなく、支払金額の20.42%を源泉徴収した |
| 支払金額 | 令和◯年中に支払が確定した退職手当等の額(税金を引く前の額)。票を作る日に未払いのものがあるときは内書きします |
| 源泉徴収税額 | 所得税と復興特別所得税の合計額 |
| 特別徴収税額 | 退職金から差し引いた住民税(市町村民税・道府県民税) |
| 退職所得控除額 | 税額の計算で引いた控除額を万円で書きます(勤続20年以下は1年あたり40万円、20年を超える分は1年あたり70万円。最低80万円) |
| 勤続年数・就職年月日・退職年月日 | 勤続年数は1年未満の端数を切り上げた年数。役員等の方は役員等になった日から数えます |
| 摘要 | 勤続年数の計算の基礎(就職〜退職の期間)。短期退職手当等・特定役員退職手当等にあたるときはその金額と勤続年数。ほかの退職手当等を受けているときはその内容。障害者になったための退職で100万円を加算したときは「障」 |
| 支払者 | 個人番号又は法人番号(税務署提出用だけ。13桁を右詰め)・住所(居所)又は所在地・氏名又は名称・電話番号 |
税務署・市区町村へ出す分には、受給者・支払者の個人番号(マイナンバー)・法人番号も書きます。本人へ渡す交付用には、受給者のマイナンバーを書きません。
Q. 給与の「源泉徴収票」とは別のものですか?
別のものです。給与や賞与は年末(または退職時)に「給与所得の源泉徴収票」を作りますが、退職金(退職手当・一時恩給など)は退職所得として、この「退職所得の源泉徴収票・特別徴収票」を別に作ります。同じ人に給与と退職金を払ったときは、2枚とも必要です。
Q. 勤続5年以下の役員に払うときは?
役員等としての勤続が5年以下の場合の退職金は「特定役員退職手当等」といい、退職所得控除を引いた金額の2分の1にしないで課税されます。役員以外の勤続5年以下の方の「短期退職手当等」は、控除後の金額のうち300万円を超える部分が2分の1になりません。どちらも退職金の税金計算が自動で区別します。
Q. この画面で作った票は、そのまま税務署に出せますか?
国税庁が配布している様式(様式316)の欄・文言・配置を再現した用紙に、計算した数字を入れて印刷します。ただし、今年ほかにも退職手当等を受けている場合(区分欄の中段)や、障害者の加算、確定拠出年金の一時金・株式報酬などは計算に含めていません。そのようなときは、国税庁の様式(手書き用・入力用)やe-Taxで作成してください。
Q. 税額の計算はどこまで正確ですか?
令和4年分以後の計算式(退職所得控除・2分の1課税・短期退職手当等・特定役員退職手当等・復興特別所得税・住民税の税率)で計算します。障害者になったことが直接の原因で退職した場合の100万円の加算や、過去に受け取った退職金との調整(前年以前に別の退職金を受けているとき)は含みません。該当するときは、税理士や税務署にご相談ください。
就職日・退職日・退職金の額と、退職された方・支払者の情報を入れると、税務署提出用と受給者交付用が、国税庁の様式どおりにA4横1枚(4面)で印刷・PDF保存できます。入力した内容はサーバーへ送りません。
この説明は一般的な内容です。個別の事情(死亡退職・複数の退職金・外国にいる方など)や、提出の要否・期限の最新の扱いは、所轄の税務署・市区町村の案内で確認してください。最終更新 261028
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